【支援事例02】子どものいない夫婦、家を配偶者に残したい ― 遺言で住まいと生活資金を妻につないだ例
※ 実例をもとに、個人が特定されないよう人物・家族構成・財産・金額・経過を加工したモデル事例です。特定のお客様の声を示すものではありません。
ご夫婦:夫69歳、妻66歳。子や孫はなく、直系尊属も全員他界
主な財産:夫名義の自宅と預貯金。夫には弟と妹がいる
ご相談のきっかけ
結婚して40年近くになるご夫婦。退職後は近所の散歩や旅行を楽しみ、これからも今の家で暮らすつもりでした。相続については「子どもがいないのだから、どちらかが亡くなれば、財産は全部もう一人に移る」と考えていました。
きっかけは、知人の相続で兄弟姉妹の協力が必要になったと聞いたことです。夫の弟や妹との仲は良好でしたが、妻は日頃から連絡を取り合う間柄ではありません。夫は「自分がいなくなったあとに、妻が家のことで親族に相談して回るのは大変だ」と感じ、相談に来られました。
私たちが行った支援
家族関係と自宅の名義を確認すると、このご夫婦の場合、夫が亡くなったときの相続人は妻と夫の弟・妹になります。遺言がなくても全員の合意があれば妻が自宅を100%取得できますが、財産の多くが自宅であるため、分け方によってはまとまった現金の準備が課題になることを説明しました。
夫が望んだのは、妻が同じ家で暮らし、預貯金もすべて自分の生活のために使えること。その意思を実現するため、全財産を妻に相続させ、当事務所の司法書士を遺言執行者に指定する公正証書遺言の作成を支援しました。妻が先に亡くなった場合の承継先も確認して、予備的な定めを置きました。
弟や妹への感謝と、妻の生活を優先したい理由は、遺言の付言事項に記しました。妻も自分の財産について、夫に残す内容の遺言を別に作成。通帳や権利証の保管場所、相続が起きたときの連絡先も、夫婦で共有しました。
その後の変化
数年後、ご主人がお亡くなりになった際は、遺言執行者として当事務所が相続人の皆様に遺言の内容を知らせ、財産を確認して手続きを進めました。遺言があるため、遺産の分け方を改めて協議することなく、自宅と預貯金を妻へ引き継ぐことができました。
弟さんや妹さんにも手続きの経過を伝え、奥様は親族との関係を保ちながら、住み慣れた家で生活を続けています。配偶者に残したいという思いを、財産の承継先と手続きの担当者まで具体化した事例です。
【制度の補足】子や孫、直系尊属がいない場合、配偶者と兄弟姉妹が相続人になります。兄弟姉妹には遺留分がありません。そのため、お子さんがいないご夫婦には遺言が大変有効な対策です。
ご相談について
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